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2025年8月
  • 溶連菌感染時のスキンケアと家庭内での感染対策

    生活

    家族の誰かが溶連菌感染症と診断された場合、処方された抗生物質を確実に服用することに加え、家庭での適切なケアが、本人の苦痛を和らげ、家族内での二次感染を防ぐために非常に重要になります。特に、猩紅熱やとびひのように皮膚に症状が出ている場合は、スキンケアにも注意が必要です。猩紅熱の発疹には、かゆみを伴うことがあります。掻き壊してしまうと、そこから別の細菌が侵入して二次感染を起こす(いわゆる「とびひ」になる)可能性があるため、なるべく掻かないようにすることが大切です。子どもの爪は短く切り、清潔に保ちましょう。かゆみが強い場合は、医師に相談すれば、抗ヒスタミン薬などの内服薬やかゆみ止めの外用薬を処方してもらえます。入浴は、高熱がなく元気であれば問題ありませんが、体を洗う際は、ナイロンタオルなどでゴシゴシこすらず、石鹸をよく泡立てて、手のひらで優しくなでるように洗いましょう。入浴後は、皮膚が乾燥しないように、保湿剤でケアしてあげると良いでしょう。とびひを発症している場合は、さらに注意が必要です。患部はシャワーで優しく洗い流して清潔を保ちますが、湯船に浸かるのは、症状が落ち着くまで控えるのが一般的です。また、とびひは接触によってうつるため、患部をガーゼなどで覆い、他の人が触れないようにします。兄弟間でのタオルの共用は絶対に避けてください。次に、家庭内での感染拡大を防ぐための基本的な対策です。溶連菌は、咳やくしゃみのしぶきを介した「飛沫感染」と、菌が付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」で広がります。感染者は、咳エチケットとしてマスクを着用し、他の家族も、石鹸と流水によるこまめな手洗いを徹底しましょう。感染者が使った食器やコップは、通常通り洗剤で洗えば問題ありませんが、念のため分けて洗うとより安心です。特に、小さいお子さんがいるご家庭では、おもちゃなどを介して感染が広がることもあるため、こまめに清掃・消毒(アルコール消毒も有効)を心がけましょう。溶連菌感染症は、抗生物質を飲み始めれば24時間程度で感染力はなくなるとされていますが、家庭内での基本的な感染対策を習慣づけることが、様々な感染症から家族を守ることに繋がります。