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2025年8月
  • 発疹が出た時の正しいスキンケアと家庭での過ごし方

    生活

    突発性発疹で、熱が下がった後に現れる発疹。これに対して、何か特別なスキンケアが必要なのでは、と考える保護者の方もいるかもしれませんが、結論から言うと、特別なケアはほとんど必要ありません。この発疹は、かゆみや痛みを伴わないため、赤ちゃん自身が不快に感じることはなく、数日で自然にきれいに消えていきます。薬を塗ったり、消毒したりする必要は全くありません。むしろ、余計な刺激を与えないことが大切です。では、発疹が出ている時期は、どのように過ごせばよいのでしょうか。まず「入浴」についてです。高熱が出ている間は体力を消耗するため控えますが、熱が下がり、赤ちゃんの機嫌や食欲が戻っていれば、入浴しても全く問題ありません。汗を流して体を清潔に保つことは、あせもなどの二次的な皮膚トラブルを防ぐ上でも重要です。ただし、体を洗う際は、ナイロンタオルなどでゴシゴシこすらず、石鹸をよく泡立てて、手のひらで優しくなでるように洗ってあげてください。入浴後も、タオルで水分をそっと押さえるように拭き、肌をこすらないように注意しましょう。次に「衣類」です。発疹が出ているからといって厚着をさせる必要はありません。むしろ、熱がこもると不快感が増すため、通気性の良い、肌触りの柔らかな綿素材の肌着や服を選び、普段通りの服装で快適に過ごさせてあげましょう。食事に関しても、熱が下がって食欲が戻っていれば、特に制限はなく、普段通りの離乳食やミルクをあげて大丈夫です。そして、この時期の家庭でのケアで最も重要となるのが、多くの赤ちゃんに見られる「不機嫌」への対応です。「不機嫌病」とも呼ばれるこの時期は、赤ちゃんが何をしても泣きやまなかったり、ぐずったり、親にべったりになったりします。これは病気の回復過程の一環であり、赤ちゃん自身も体調の不快感や変化に戸惑っているのです。この時期は、保護者の方も心身ともに疲れると思いますが、「今はそういう時期なのだ」と割り切り、できるだけ赤ちゃんの要求に応え、たくさん抱っこして安心させてあげることが何よりの薬になります。この大変な時期も、発疹が消える頃には必ず終わりが来ます。