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2025年10月
  • 整形外科と脳神経外科!どう違う?

    医療

    手のしびれや、腰から足にかけての痛み(坐骨神経痛)といった症状で、病院へ行こうと考えた時、多くの人が、その選択に迷うのが「整形外科」と「脳神経外科」という、二つの診療科の違いでしょう。どちらも、背骨(脊椎)の病気を扱っており、その対象疾患は、大きく重なり合っています。しかし、それぞれの科が持つ、専門性や、得意とする治療アプローチには、明確な違いが存在します。この違いを理解しておくことは、あなたの症状や、求める治療の方向性に応じて、より適切な科を選ぶための、重要な助けとなります。まず、「整形外科」は、その名の通り、骨や関節、筋肉、靭帯、腱、そして、それらに付随する末梢神経といった、「運動器」全般を、非常に広い守備範囲で扱う診療科です。手のしびれの原因となる、頚椎椎間板ヘルニアや、手根管症候群といった病気に対して、問診から、レントゲンやMRIによる画像診断、そして、その後の保存療法(薬物療法、リハビリテーション、ブロック注射など)から、手術療法まで、一貫して対応することが可能です。多くの、しびれの患者さんが、まず最初に訪れるべき、総合的な窓口であり、ほとんどのケースは、整形外科の領域で、診断・治療が完結します。特に、理学療法士などと連携した、運動機能の改善を目指す「リハビリテーション」に、強みを持っています。一方、「脳神経外科」は、その名の通り、脳や脊髄といった「中枢神経」と、そこから枝分かれする「末梢神経」といった、「神経系」そのものを、主な専門領域とする診療科です。手のしびれの原因となる、脊椎の病気も、神経を圧迫する病気であるため、もちろん、脳神経外科の診療対象となります。脳神経外科の最大の特徴であり、強みは、手術用顕微鏡を用いた、非常に精密な「マイクロサージェリー(微小外科手術)」にあります。神経という、極めてデリケートな組織を、できるだけ傷つけずに、その圧迫を取り除く、という手術を、最も得意としています。そのため、整形外科での保存療法で改善が見られず、手術が必要と判断された場合や、足の麻痺が進行しているような重症例の場合に、整形外科から、より専門的な手術を求めて、脳神経外科へ紹介される、というケースも少なくありません。どちらの科も、しびれの専門家であることに変わりはありません。