適応障害かも?まず相談すべき診療科
仕事のプレッシャーや人間関係の悩み、あるいは環境の大きな変化によって、心が疲れてしまった。気分の落ち込みや、原因不明の体調不良が続き、「もしかして、適応障害かもしれない」と不安に思った時、多くの人が最初に直面するのが「一体、何科の病院に行けば良いのだろう?」という、意外と難しい問題です。その問いに対する最も的確な答え、それは「精神科」あるいは「心療内科」です。どちらの科も、ストレスによって引き起こされる心と体の不調を専門に扱う、心の専門家です。精神科は、主に、気分の落ち込みや不安感、不眠、意欲の低下といった「心の症状」を中心に診療します。一方、心療内科は、ストレスが原因で、頭痛や腹痛、動悸、めまいといった「体の症状」が強く現れている場合に、その身体的な側面からのアプローチを得意とします。しかし、実際には、この二つの科の境界は曖昧になってきており、どちらの科を受診しても、適応障害の基本的な診察や治療を受けることが可能です。大切なのは、「精神科か、心療内科か」で悩みすぎて、受診のタイミングを逃してしまうことです。もし、どちらに行くべきか迷ったら、ウェブサイトなどで、それぞれのクリニックがどのような疾患を得意としているかを確認したり、あるいは、単純に、通いやすい場所にある、雰囲気が良さそうだと感じたクリニックを選んだりするのでも、全く問題ありません。また、もし日頃から通っている「かかりつけの内科医」がいるのであれば、まずはそこで、現在のつらい症状を相談してみる、というのも、非常に良い第一歩です。そこから、必要に応じて、適切な専門医を紹介してもらうことができます。一人で抱え込まず、まずは専門家への相談の扉を叩くこと。それが、回復への、最も重要で、確かな一歩となるのです。