頭痛という症状は、単独で現れることもありますが、他の様々な体の不調と同時に現れることも少なくありません。その「伴う症状」に注目することで、受診すべき適切な診療科が見えてくることがあります。ただし、前述の通り、命に関わる脳の病気の可能性を否定することが最優先であるため、判断に迷う場合はまず脳神経外科・内科を受診することが基本です。その上で、他の可能性も考えてみましょう。まず、頭痛と共に「目の奥の痛み、目の充血、視力低下、吐き気」といった目の症状が急激に現れた場合は、「緑内障発作(急性閉塞隅角緑内障)」の可能性があります。これは、眼圧が急激に上昇する病気で、放置すると失明に至る危険があるため、直ちに「眼科」を受診する必要があります。次に、頭痛に加えて「鼻づまり、黄色や緑色の鼻水、頬や眉間の痛み」がある場合は、「副鼻腔炎(蓄膿症)」が原因かもしれません。副鼻腔という顔の骨の中にある空洞に膿がたまることで、頭痛、特に前頭部や顔面の痛みを引き起こします。この場合は「耳鼻咽喉科」が専門となります。また、「こめかみや顎の痛み、食事の際に噛むと痛む、頭皮に触れると痛い」といった症状が、50歳以上の人で新たに見られた場合は、「側頭動脈炎」という血管の炎症(膠原病の一種)を疑う必要があります。これは失明の原因にもなりうるため、早期に「リウマチ・膠原病内科」での診断と治療が必要です。さらに、月経周期と連動して頭痛が悪化する場合は、女性ホルモンの変動が関与する「月経関連片頭痛」の可能性があり、「婦人科」に相談することも有効です。高血圧の人が、血圧の急上昇に伴って後頭部に重い頭痛を感じることもあります。この場合は、血圧のコントロールが重要となるため、「循環器内科」やかかりつけの「内科」での相談が適切です。このように、頭痛以外の症状が、原因を突き止めるための重要なヒントになるのです。
頭痛に加えて他の症状がある場合、何科を受診すべきか