私は甲状腺機能低下症(橋本病)という持病があるため主治医がいます。16年前に発症してからお世話になっています。もともとは、私の母が甲状腺機能亢進症(バセドウ病)で33年前から診て頂いている先生です。私が高校生になった頃から気にかけていてくれました。出産を切っ掛けに体調が悪くなり、母の症状と似ていたため受診しました。小さい頃は母の通院に一緒に行くことがあったので顔見知りの先生でした。いつもは穏やかな表情の先生ですが、私の症状を聞くと険しい目つきに変わりました。あの日から16年が経ちますが、病室に入る私の声や歩き方を敏感にチェックしてくださっているようです。体調が良いときは「変わりないですか」と聞くだけですが、少し疲れている時に行くと「風邪ひいてないですか」など会話の数が増えます。数年前の婦人科検診で貧血と胸にしこりが見つかったときは初診の時のように険しい目つきになりましたが、良性のしこりとわかると表情が和らぎました。毎年12月の診察では「来年もよろしくお願いします。」と挨拶し、1月になると「今年もよろしくお願いします。」と病院で言わなければならない人生が嫌になることもあります。けれども、病院へ行くほどではない不調ついて質問できる場所があるのは幸せだと思います。