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  • 喉の痛みヘルパンギーナ以外の病気

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    喉の奥に、痛みを伴う、赤い発疹や、白い口内炎ができた。インターネットで調べると、「ヘルパンギーナ」という病名がヒットし、「きっとこれに違いない」と、自己判断してしまう。しかし、喉に、ヘルパンギーナと非常によく似た症状を引き起こす病気は、実は、他にもいくつか存在します。そして、その中には、ヘルパンギーナとは、治療法が全く異なる、より注意が必要な病気も含まれているのです。自己判断で、誤った対処をしてしまうことの危険性を知るためにも、鑑別すべき、いくつかの病気を、頭に入れておくことが重要です。まず、最も注意が必要なのが、「溶連菌感染症」です。これは、ウイルスではなく、「溶連菌」という細菌によって引き起こされる、細菌性の咽頭炎です。ヘルパンギーナと同様に、喉の強い痛みや、発熱、そして喉の奥に、赤い点々とした発疹が現れることがあります。しかし、決定的な違いは、溶連菌感染症には、「抗生物質」が、非常によく効く、ということです。抗生物質を服用すれば、通常、一日から二日で、劇的に症状が改善します。適切な治療を行わないと、リウマチ熱や、急性糸球体腎炎といった、心臓や腎臓の、深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の確定診断が、極めて重要となります。次に、「手足口病」も、同じエンテロウイルス属によって引き起こされる、兄弟のような病気です。ヘルパンギーナと同様に、喉に水疱ができますが、その名の通り、それに加えて、「手のひら」や「足の裏」、そして「お尻」などにも、特徴的な発疹が現れるのが、鑑別のポイントです。また、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる、「ヘルペス性歯肉口内炎」も、口の中に、多数の痛みを伴う口内炎を形成します。そして、これら感染症とは別に、単なる「アフタ性口内炎」が、喉の奥に、複数できている、という可能性も考えられます。これらの病気は、専門家である医師でなければ、正確に見分けることは困難です。喉の異常に気づいたら、決して自己判断せず、必ず、内科や、耳鼻咽喉科を受診し、その痛みの「本当の正体」を、突き止めてもらうことが、何よりも大切なのです。