のどちんこ(口蓋垂)の痛みや腫れで「耳鼻咽喉科」を受診した場合、どのような診察や検査、治療が行われるのでしょうか。事前にその流れを知っておくことで、不安なく診察に臨むことができます。まず、受付を済ませると、医師による「問診」から始まります。医師は、「いつから、どのような症状がありますか?」「痛みや違和感の程度はどのくらいですか?」「きっかけに思い当たることはありますか?(風邪、いびき、飲酒など)」「熱や咳、鼻水など、他に症状はありますか?」といったことを詳しく質問します。この問診は、原因を推測する上で非常に重要な情報となりますので、できるだけ具体的に伝えましょう。次に、「視診」が行われます。医師は、ペンライトと舌圧子(ぜつあつし)というヘラのような器具を使って、口を開けてもらい、口蓋垂や扁桃、喉の奥(咽頭)の状態を直接観察します。口蓋垂がどの程度赤くなっているか、腫れているか、白い膿(白苔)や潰瘍ができていないかなどをチェックします。喉の奥や、鼻の突き当たり(上咽頭)、声帯のある喉頭まで詳しく観察する必要がある場合は、「ファイバースコープ」という細いカメラを鼻から挿入して検査することもあります。鼻に局所麻酔のスプレーをするため、痛みはほとんどありません。検査の段階では、原因を特定するために追加の検査が行われることがあります。細菌感染、特に溶連菌が疑われる場合は、喉の奥を綿棒でこすって調べる「迅速検査」や「細菌培養検査」を実施します。アレルギーが疑われる場合は、血液検査でアレルギーの原因物質(アレルゲン)を調べることもあります。これらの診察と検査の結果を総合的に判断し、診断が下され、治療方針が決定されます。治療の基本は「薬物療法」です。細菌感染が原因であれば「抗生物質」、アレルギーが原因なら「抗アレルギー薬」が処方されます。炎症や痛みを抑えるために「消炎鎮痛薬」や「ステロイド」が用いられることもあります。また、喉の炎症を直接抑えるために、「ネブライザー治療」が行われることも多いです。これは、霧状にした薬剤(抗炎症薬や抗生物質など)を、口から吸入する治療法で、薬剤が患部に直接届くため高い効果が期待できます。その他、症状に応じてうがい薬やトローチなどが処方されます。