突発性発疹の経過は非常に典型的で、その中でも発疹の出現から消退までの流れは、保護者が最も気になるポイントの一つです。この発疹の経過を正しく理解しておくことは、不要な心配を避け、適切なケアに繋がります。発疹が出現するタイミングは、3~4日間続いた高熱が、ストンと平熱に下がった後、おおむね12時間から24時間以内です。熱が下がったことに安堵した矢先、お腹や背中、胸といった体の中心部にポツポツと赤い発疹が出現し始めるのに気づくでしょう。この発疹は、その後急速に数を増やし、半日から1日かけて、首や顔、腕や足へと広がっていきます。全身に発疹が広がる様子を見て、「病気が悪化したのではないか」と心配になるかもしれませんが、これは突発性発疹の典型的な経過であり、むしろ病気が終息に向かっている証拠なので安心してください。この発疹の最大の特徴は、赤ちゃん本人にとってほとんど不快な症状がないことです。麻疹や水ぼうそうの発疹とは異なり、強いかゆみや痛みを伴うことはまずありません。赤ちゃんが発疹を掻きむしるようなそぶりを見せることは稀です。発疹が出ている期間は、個人差はありますが、通常2日から4日程度です。出現した時と同様に、消える時も跡を残さず、まるで何もなかったかのようにスーッときれいになります。発疹の色が少し薄茶色っぽく変化してから消えることもあります。この発疹が出ている時期に、多くの保護者を悩ませるのが、赤ちゃんの「機嫌」です。高熱が出ている間は比較的ケロッとしていたのに、熱が下がって発疹が出てきた途端、一日中ぐずったり、夜泣きがひどくなったり、何をしても泣きやまない、といった状態になることがあります。これは突発性発疹の別名が「不機嫌病」と呼ばれる所以であり、多くの赤ちゃんに見られる現象です。高熱で体力を消耗した後の倦怠感や不快感が原因と考えられていますが、はっきりとした理由はわかっていません。発疹自体は心配いりませんが、この「不機嫌」への対応が、この時期のケアの最も重要なポイントとなります。発疹が消える頃には、この不機嫌も嘘のように落ち着くことがほとんどです。
突発性発疹の発疹、いつからいつまで?経過と注意点