りんご病という愛称で知られる伝染性紅斑は、子供の間で流行しやすい疾患ですが、実は大人が感染すると非常に重症化しやすいという側面を持っています。お子さんの頬が赤くなり、りんご病が疑われる際、病院へ行くべきかという問いに対して、私は「周囲の人々を守るために行くべきだ」とアドバイスしています。確かに、子供自身の症状は軽く、自然に治癒することがほとんどです。しかし、診断を受けずに放置することで、意図せず感染を広げてしまうリスクを見逃してはいけません。りんご病のウイルスは、赤血球を作る元の細胞に感染する性質があり、これによって一時的に血液を作る機能が低下します。健康な子供であれば問題になりませんが、もし周囲に貧血の持病を持つ人や、免疫力が低下している人がいた場合、その人たちにとっては命に関わる深刻な事態を招きかねません。また、最も警戒すべきは妊婦への感染です。妊娠中の方がこのウイルスに感染すると、胎児に重い貧血が起き、最悪の場合は流産に至ることもあります。病院で正式な診断を受けることで、自分が感染源となっている可能性を自覚し、周囲の妊婦さんや体力の弱い方々に対して適切な距離を置くなどの配慮ができるようになります。また、病院へ行くことで「りんご病以外の発疹疾患」を除外できるメリットも大きいです。例えば、麻疹や風疹などは初期段階では見分けがつきにくいことがありますが、これらは法律で定められた報告義務がある重大な感染症です。医師の専門的な目による確認は、コミュニティ全体の安全を守るためのフィルターの役割を果たします。病院へ行くことは、単に自分の体調を良くするためだけではなく、社会の一員としての責任を果たす行為であると捉え直してみてください。医療機関では、痒みを抑える薬の処方や、日常生活での具体的なアドバイスを受けることができ、結果として最も早く安心を手に入れることができるのです。