りんご病の集団感染を最小限に食い止めるためには、初期症状、すなわち前駆期の段階でいかに早く感染の可能性に気づけるかが勝負となります。この時期の症状は極めて微細であり、37度台の微熱が1、2日続く程度であったり、なんとなく体がだるいといった漠然とした訴えに終始したりすることが多いです。しかし、注意深く観察すれば、いくつかの特徴的なサインを見出すことができます。まず、子供の顔色が少し土気色に見えたり、目の周りがわずかに赤みを帯びたりすることがあります。また、学童期の子供であれば、筋肉痛という言葉を使わずとも、足が重い、腕を動かすと疲れるといった表現で初期のウイルス血症に伴う炎症を伝えてくることがあります。この段階では喉の痛みや咳を伴うこともあるため、多くの場合は一般的な感冒として処理されますが、もし所属するコミュニティ内でりんご病の報告が1例でも上がっているならば、それらの軽微な症状をすべて初期症状として扱うべきです。初期症状から発疹が現れるまでの期間は約7日から10日であり、この空白の期間にウイルスを飛散させないことが重要です。見分け方のもう1つのポイントは、日中の活動量です。普段なら走り回っている子供が、初期症状の時期には座って遊ぶことを好んだり、昼寝の時間が長くなったりします。大人の場合はより顕著で、インフルエンザの初期症状に似た強い悪寒や、指の第1関節、第2関節がこわばるような独特の関節痛が現れることが多いため、子供よりも気づきやすい傾向にあります。対策としては、初期症状を疑った時点で、家族間でもタオルの共用を避け、手洗いとうがいを徹底すること、そして何より本人の体力を温存させるために十分な睡眠を確保させることが挙げられます。熱が下がったからといってすぐに集団の中へ戻すのではなく、流行期には念のためもう1日自宅で様子を見るという慎重な姿勢が、結果として多くの人々を感染から守ることになります。りんご病は頬が赤くなってからでは遅すぎます。その前の風邪のような数日間にどれだけ危機意識を持てるかが、公衆衛生上の大きな分岐点となるのです。