うちの子、最近朝どうしても起きられなくて、無理に起こそうとすると頭痛や吐き気を訴えるんです。これってただの登校拒否なのでしょうかという切実な相談を受けることがあります。親としては学校を休ませることに不安を感じ、ついつい厳しく接してしまいがちですが、もしその症状が午前中に強く、午後から夕方にかけて回復するようであれば、それは起立性調節障害という自律神経の病気かもしれません。このような時、まず最初に相談すべき場所は小児科です。小児科は子供の体の成長と変化を専門的に診る場所であり、起立性調節障害のような思春期特有の身体症状に関しても、最も多くの知見を持っています。小児科を受診するメリットは、単に病気を診断するだけでなく、子供の生活環境全体を考慮したアドバイスがもらえる点にあります。起立性調節障害は何科を受診しても同じというわけではありません。小児科医の中には、日本小児心身医学会などに所属し、この病気に特化したトレーニングを受けている医師も多く存在します。そのような医師であれば、子供が感じている、サボっていると思われたくないけれど体が動かないという葛藤にも寄り添ってくれます。受診を検討する際は、近所のクリニックのホームページを確認し、診療案内に起立性調節障害の記載があるか、あるいは自律神経の検査が可能かどうかをチェックしてみるのが賢明な判断です。受診のタイミングについても迷うところですが、症状が1ヶ月以上続いている場合や、週に数回は学校に遅刻したり休んだりするようであれば、早めに予約を入れるべきです。小児科での診察は、まず詳しい問診から始まります。妊娠中の経過から乳幼児期の成長、現在の睡眠リズムや食事の内容まで、細かく聞かれることがあります。その後、心電図や血液検査を行い、貧血や低血糖、甲状腺の異常など、他の原因が隠れていないかを慎重に調べていきます。これらの検査で異常がないことが確認されて初めて、新起立試験という起立性調節障害に特有の検査へと進むのが一般的な流れです。新起立試験では、静止した状態で血圧がどのように変化するかを2分、5分、10分と細かく測定していきます。健康な人であれば、立ち上がった瞬間に血管が収縮して血圧を維持しますが、この病気の子は血管の収縮がうまくいかず、脳への血流が一時的に低下してしまいます。これが立ちくらみや失神の原因となります。小児科医はこのデータを基に、循環抑制型や体位性頻脈症候群といった具体的な分類を行い、その子に最適な治療計画を立ててくれます。また、学校への提出が必要な診断書や意見書についても、小児科医は書き慣れているため、学校側の理解を得るための強力なサポーターになってくれるはずです。もし最初に受診した小児科で、特に異常はありません、規則正しい生活をしてくださいと言われるだけで改善が見られない場合は、セカンドオピニオンとして大学病院や専門クリニックの小児科を探すことも検討してください。起立性調節障害は適切な診療科で早期に対応を始めれば、多くの場合は数年かけて改善に向かっていきます。まずは親御さんが冷静になり、子供を責めるのではなく専門家に相談するという一歩を踏み出すことが、家庭内の平穏を取り戻す鍵となります。
朝起きられない子供が小児科に行くべき理由