冬場に流行する感染性胃腸炎の中でも、ロタウイルスは特に症状が重く出やすいことで知られています。保護者の方からよく相談を受けるのが、便の色が白くなったが大丈夫かという内容です。結論から言えば、ロタウイルスによる白い便は病気の特徴的な症状の1つであり、これ自体ですぐにパニックになる必要はありませんが、腸の機能が低下している重要なサインとして捉えるべきです。ロタウイルスが小腸に感染すると、消化吸収を司る微絨毛が破壊され、便を茶色く染める胆汁がうまく混ざらなくなります。そのため、米のとぎ汁のような白い下痢便が出るのです。この白い便が出ている期間は、体内から大量の水分が奪われるため、最も脱水症に警戒しなければならない時期です。家庭での対処法として最も重要なのは、一度にたくさん飲ませようとしないことです。吐き気が残っている場合、大量の水分摂取は再度の嘔吐を誘発します。5分から10分おきに5ミリリットルから10ミリリットルずつ、経口補水液を根気よく与えてください。また、便の色が白いうちは、おむつかぶれも激しくなりやすい傾向があります。白い下痢便は酸性度が強く、皮膚への刺激が非常に大きいため、おしり拭きで強くこするのではなく、座浴やシャワーで優しく洗い流してあげることが大切です。白い便を確認したら、スマートフォンで写真を撮っておくと診察時に非常に役立ちます。医師は便の色や形、回数から脱水の進行度や回復の段階を推測するからです。また、ロタウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、白い便が付着した衣類は必ず塩素系漂白剤で浸け置き消毒を行ってください。家族への感染を防ぐことが、子供の回復を支える環境作りにも繋がります。便の色が白から黄色、そして茶色へと戻る過程は、腸の粘膜が再生している証拠です。完全に茶色い便に戻るまでは、消化に良いお粥やうどんを中心とした食事を心がけ、脂っこいものや乳製品は避けるようにしましょう。白い便は驚くような見た目ですが、適切な水分補給と衛生管理を行うことで、多くの場合は1週間程度で改善に向かいます。冷静に症状を観察し、色の変化を健康回復のバロメーターとして活用してください。
小児科医が教えるロタウイルスの白い便への対処法