りんご病は子供の病気というイメージが根強いですが、大人が感染した場合には初期症状から非常に過酷な経過をたどることが多く、注意喚起が必要です。大人のヒトパルボウイルスB19感染症は、子供のように頬が赤くなることは稀で、その代わりに全身の関節痛や浮腫、そして激しい倦怠感が初期症状として前面に出ます。ある30代の女性のケースでは、最初の数日間、38.5度の高熱と、インフルエンザに匹敵するほどの関節の痛みを感じました。指の関節がパンパンに腫れ、ペットボトルの蓋を開けることさえ困難になり、朝起きたときの体のこわばりは筆舌に尽くしがたいものだったと言います。初期症状としての発熱が治まった後も、この関節痛は数週間、長いときには数ヶ月にわたって続くことがあり、リウマチなどの自己免疫疾患と誤診されることさえあります。また、初期症状の段階で注意が必要なのは、造血機能への影響です。このウイルスは赤血球を作る細胞に直接感染するため、健康な人でも一時的に血液を作る能力が低下します。貧血の既往がある方や、鎌状赤血球症などの持病がある方が感染し、初期症状として強い動悸や息切れを感じた場合は、再生不良性貧血危急状態という極めて危険な状態に陥っている可能性があるため、即刻の入院治療が必要となります。さらに、最も回避すべきリスクは妊婦の感染です。妊娠中にりんご病の初期症状、すなわち微熱や関節痛を感じた場合、ウイルスは胎盤を通過して胎児に感染します。胎児は急速に成長しているため、赤血球の産生が止まると重度の貧血に陥り、心不全から全身に水が溜まる胎児水腫を引き起こします。初期症状の時期こそが胎児への感染リスクが最大になる時期であり、妊娠を希望している女性や妊婦さんは、周囲で風邪のような症状の子供がいる場合には、たとえ顔が赤くなくてもりんご病を疑って距離を置くべきです。大人のりんご病は、初期症状が単なる風邪の範疇を大きく超えてくることがあり、社会生活に甚大な影響を及ぼします。自身の不調を甘く見ず、特に関節の違和感や強いだるさを感じた際は、周囲への二次感染を防ぐためにも、早めに内科や皮膚科を受診し、適切な指示を受けることが求められます。
大人が感染した際のりんご病初期症状の過酷さとリスク