2月の寒い夜、当時2歳だった息子が突然寝室で激しく吐き戻したのがすべての始まりでした。最初は夕食が体に合わなかったのかと思いましたが、その後15分おきに何度も嘔吐を繰り返し、顔色が青白くなっていく息子を見て、私はパニックに近い不安に襲われました。急いで夜間救急病院へ連れて行くと、医師からロタウイルスの可能性があると告げられました。翌朝、嘔吐がようやく収まった頃に始まった下痢は、私の想像を絶するものでした。おむつを替えるために広げた瞬間、目に飛び込んできたのは、今まで見たこともないような真っ白な液体でした。まるでお米のとぎ汁か、白い絵の具を水で溶かしたような色で、独特のツンとした酸っぱい臭いが部屋中に広がりました。これがロタウイルスの特徴とされる白い便なのだと直感しましたが、その異様な見た目に手が震えたのを覚えています。息子は全く食欲がなく、水分を飲ませてもすぐに白い水のような便として出ていってしまいました。1日に12回もおむつを替え、そのたびに真っ白な便が出る状況が3日間続きました。おしりは真っ赤にただれてしまい、息子が泣き叫ぶ姿を見るのは本当に辛い時間でした。便の色が白いうちは腸が全く機能していないのだと聞き、経口補水液をスプーンで1杯ずつ慎重に飲ませ続けました。白い便の処理も過酷で、ウイルスを広げないためにビニール手袋を使い、塩素系の消毒液を自作して床や壁を拭き掃除する毎日でした。発症から4日目、便の色が少しずつクリーム色から薄い黄色に変化し始めたとき、ようやく希望の光が見えた気がしました。5日目には泥のような茶褐色の便に戻り、それと同時に息子の顔に赤みが戻り、パンを一口食べられるようになりました。白い便という視覚的な衝撃は、親にとって病状の深刻さを訴えかける強いメッセージでしたが、その色の変化を毎日観察することで、回復へのステップを肌で感じることができました。ロタウイルスは看病する側も心身ともに消耗しますが、あの日おむつの中で見た白い色の変化は、息子の体がウイルスと必死に戦っていた証だったのだと今は振り返ることができます。普通の茶色い便がいかに健康の象徴であるかを、この闘病を通じて痛いほど学びました。